近年、国内のIT業界は人材不足という問題を抱えています。スマートフォンの普及などでインターネットが私たちの身近となった今、目覚ましいスピードで技術が進化しているのにもかかわらず、2030年には約79万人もエンジニアが不足するといわれています。この人材不足にはいくつかの理由が考えられます。

まず一つは、前述した技術の進歩によるものです。技術の進歩は喜ばしいことですが、従来の仕事に加えて新たな技術へも対応しなければならないとなるとそもそも人手が必要です。現在世に出回っているサービスを改修したり運用保守するのもエンジニアの仕事ですし、既存の技術を使って従来通りシステム開発を行うのもエンジニアの仕事です。新しい技術に目をつけてスタートアップが増えれば増えるほど、より人材不足の問題は顕著に表れてくるでしょう。現在、多くの企業が人材不足の解消のために対策を練っているといわれています。また国内ではニアショア型を活用した開発案件も増えてきたので、今後人材不足の解消も期待できることでしょう。

もう一つは、IT業界の仕事が持つ専門性という性質です。設計にしろ開発にしろ、身につけておかなければならない専門的な知識が多く仕事外でも勉強を欠かさない姿勢が強く求められます。また理系的な思考力も必要となる業界であるため、苦手な人にはとことん向いていない職業といえます。スマートフォンやパソコンを使いこなせる人が現代では増えたからといって、システム開発やプログラミングに長けている人は同程度には増えていません。だからこそ、エンジニアとしての就職を目指して日々知識の習得に励んでいる方は、人材不足のこの業界において重宝される存在となるでしょう。